親(売主)と子(買主)で住宅ローンを利用して不動産を売買する場合、住宅ローンの審査が厳しくなるケースが3つあります。
1.借金を理由としての親子間売買(借金)
2.事業資金などに住宅ローンを転用される親子間売買(転用)
3.子が同居しており本当に必要か分からない親子間売買(理由)
この3つのケースです。
住宅ローンは本来自分が住むために不動産の購入に際して利用するローンです。
それが、この3つのケースだと、その本来の目的とは異なる利用がされる(されそう)のでNGとなるのです。その結果、「親子間売買では住宅ローンの利用が厳しい」となるのです。
逆にこの3つのケース以外では、普通に住宅ローンの審査が通る方(第三者の不動産を購入する際に住宅ローンの審査を受けても問題なく承諾となる方)であれば、まずOKをもらえます。その場合は、弊社でも数多く融資商品を取り揃えていますので、お気軽にご相談いただければと思います。
なお、どれも金融機関から見て「そう思われるかどうか」がポイントです。いくら「そうじゃないです」と言っても審査の厳しさは変わりませんので、書類などからそう見える場合は難しいのは変わりません。
親子間売買・親族間売買の詳細は弊社ホームページでもご覧いただけます
では、問題となるこの3つのケース。もっと詳しくどのようなケースが該当するのか見ていきましょう。
1.借金を理由としての親子間売買(借金)
すでに売主や買主が何らかの借金をしておりその返済を想定して親子間売買するケースですが、他にも売主や買主が事業をしている場合や、事業をしていなくとも住宅ローンやカードローンなどを遅延延滞やリスケしている場合も、借金を理由とした場合に近い扱いを受けます。
「事業はしているが、単に親子で家の売買がしたいんだよ」
というケースもあると思います。ただ、決算書等を拝見してみて黒字が何期も続いており、現金が豊富にあるといったケースではない限り、「親子間で売買をする理由は何か別な理由がある」=「借金の返済をするんだろう」or「財産隠しで自宅を売買するんだろう」となります。子供が事業をしている場合では売買で親に資金をつくり、それを借りるか贈与で融通してもらう手も打てます。ですので、審査結果はあまり変わりません。厳しい審査になるのがほとんどです。
また、事業をしていなくとも住宅ローンの返済が遅れている、カード等の借り入れや遅延延滞が多い、他に差押えや登記が入っているというのもこのケースです。
借金の返済のため親子間売買を行うのはよくあるケースです。金融機関もまずはこの見方から入りますので、借金が理由の売買でない場合はその売買理由を分かり易く説明することが肝要です。もし、借金が理由なら借金が今度のローンに影響しない(たとえば、ローンで借金をすべて完済できるなど)ことを書類でもってきちんと説明できると良いでしょう。
2.事業資金などに住宅ローンが転用される親子間売買(転用)
1をもっと優しくした感じでもNGの金融機関が多いです(一部例外とする金融機関はあります)。金融機関の多くでは、住宅ローンで出された資金が他の利用に転用されるのを嫌がるのです。
「売主が売買で得た資金をどう使おうと自由ではないか。そんなの第三者間の売買なら普通じゃないか。」
第三者間ではその通りです。
しかし、第三者間では売買価格は自由に決められませんし、当然売主から買主へ資金を融通することはありません。また、売主がどう資金を利用するのか、買主は決められません。なので、「住宅ローンをいくら他の利用目的に転用する」という話はなく、買主が純粋に不動産に住むためのローンであることは変わりません。
一方で、親子間なら売買価格は自由に決められますし、親子間で資金を融通できます、また資金をどう使うのか親子間で決められます。つまり、先に転用ありきでいくら借りるか決められるので、本来の住むために不動産を購入するのに必要なローンである住宅ローンは出せないのです。
以上を理由として、住宅ローンが本来の住む目的ではなく、他の目的で希望していると見られる(疑われる)ケースでは、そうではないことを書類などで明確に説明する必要があるのです。
一方で、「事業資金に利用したい」というのであれば、一部金融機関ではそれでも対応できますので、当初から事業資金利用と説明をして話を進めた方が良い結果を生むと思います。
3.親と子が同居しており本当に必要か分からない親子間売買(理由)
売買理由が分からない売買はどの金融機関も住宅ローンを出しません。そのため、売買理由はきちんと説明するのが原則です。もし、前記の1や2のように借金や事業目的で「それを言うとダメだろう」と考えていても、「何となく売買を・・・」では当然ダメなのです。住宅ローンですから、あくまでも住む目的の不動産の購入であり、購入するのが家(実家)である理由が必要なのです。
子(買主)と親(売主)がすでに同居をしているなら尚更、「もう住んでいるのだから、住むための住宅ローンを出す必要がないですよね」となります。金融機関から見たらまぁ当然ですよね。
そのため、金融機関が「なぜ親子間売買をするのか」分かり易い理由で、書類などをもって説明する必要があります。たとえば、住み替えなんかは良いケース。親が他の家を買うのに現金が必要であり、そのために住んでいる家を子供に買ってもらう、というのは分かり易いでしょう。住み替え先の売買契約書を用意しておけば、金融機関も「言っていた住み替えは本当に行うんだ」となり、スムーズに審査を進めてくれます。結果、親子間売買でも住宅ローンは問題なくおりるのです。
金融機関が納得する親子間売買の理由を明示していきましょう。
ここで書きました親子間売買の3つのケースでは、住宅ローンの利用は想定よりも厳しい結果になることが多いです。
ただ、これもケースバイケース。1)不動産の担保評価、2)借金や事業の状況、3)買主様の属性(年収、勤務先、勤続年数、借入履歴)によっては問題なくクリアになる場合があります。そのため、「私はダメか・・・」と最初からあきらめずに、まずはお気軽に弊社までご相談いただければと思います。
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武蔵野不動産相談室株式会社宛
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