お客様に教えられたことがあります。
相続での話し合いでは
「財産を相続人全員で気持ちよく分けようと宣言する」
とうまくまとまっていく(可能性がある)、ということです。
もちろん、宣言するだけではなく、思っていないといけません。
そうすると他の相続人様も自身の要求に対して
そこまで意固地にならず、何とかまとめる方向で
多少なりとも妥協をして考えてくれます。
これは先日、実際に私が参加した相続の話し合いで得られた教えです。
ご依頼者様から冒頭のとおり、この年になって他の兄弟姉妹と
揉めてもしょうがないので、母からいただいた財産を全員が
気持ちよく分けたいので、そこを理解して話し合いの司会進行してください
と言われました。
そのように言われたので話し合いの場の初めに、
「ご依頼者様から、お母様から残していただいた財産を
気持ちよく皆様で分けたい、という意向をいただきましたので、
その点を汲んで話し合いをさせていただければと思います」
と参加した相続人様全員に伝えました。
その後は、ご依頼者様の要求と相続計画案にはフタをして、
他の相続人様の話を傾聴するに留めました。
そうしたら、本当に気持ちよく、話し合いは揉めずにまとまっていきました。
最初に謝っておきますが(その時も最後に謝りましたが)
その話を伝えられたときに返したのが、
「今までの経験では要求を出し合うのが相続の話し合いの場なので
気持ちよく終わることができるか分かりませんし、まとまるかどうかは
分かりません。ですが、その気持ちを持っての司会進行をいたします」
と伝えたのですが、話し合いの結果は気持ちよく終わることができました(汗
すぐ主旨変えしましたが、冒頭のこの宣言は他の相続人の考え方を変えます。
話し合いの中では、「当初はこんなことをお願いしようかなと思って
いたけど、そう言われると言いにくいな」
「このような希望があるけど、そこを柔軟に考えるよ」
など、当初は相続人全員から様々な要求がありましたが、
全員妥協するところは妥協します、に落ち着きました。
その結果は、相続案は相続人様全員が承諾できる内容になり、
あっさり遺産分割協議書の作成となりました。
これが最初にご依頼者様の要求があり、こちらの計画案を見せて
どうするかと話をしていたら結果は異なっていたと思います。
おそらく、皆さん反発されていたと思うのです。
当たり前ですけど他人の要求を飲むということは、その程度の差はあれど
どんな人でも嫌ですものね。
「気持ちよく財産を分けて話をまとめたい」
今回はこの姿勢を見せたことで、目標の共通理解は深まり、
話をまとめることに相続人様全員が向かってくれたのではないかと思います。
また、ひとつお客様から教えられました。
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